戦場ヶ原 (センジョウガハラ)
詳細
住所 | 栃木県日光市 |
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奥日光にあり、中禅寺湖から竜頭滝をへて湯川に平行して国道120号を進むと標高約1400mの高さに湿原が広がっている。
原は四方を山で囲まれており、北は太郎山・山王帽子山、西側は三岳、東は男体山、そして南側は高山の峰々により閉ざされている。
原はわが国の代表的な乾燥湿原で、国道120号を境に北は乾燥化していて、草原にはカラマツやシラカバの疎林があり、西側は湿地で湛水している。
原は四周の山々の地質や地形から見て、かつては日光火山ことに男体山の噴出物による堰止湖と考えられ、ボーリングにより深度数十m以上の水深の湖が存在していたものと思われる。
現在、原は乾燥化が進んでいるが、古戦場ヶ原湖の一生を考えると、はじめに男体山の溶岩の流出により、南部の花崗岩からなる高山の峰々の凹部の竜頭付近が堰き止められ、湖が発生した。その後男体山の再活動による火山噴出物や周囲の産地からの土砂が流入し、湖底を急速に浅くしていき、ヨシなどの水生植物が湖岸から湖心に浸入し、植物の枯死体は泥炭となり、泥炭の堆積が進み表面が平らな現在の西側にみられる底層湿原がつくられた。さらに北側はミズゴケが生育し、周辺部より中央部のほうが高くなって高層湿原ができあがり、現在にいたったものである。