大中寺 (ダイチュウジ)
詳細
住所 |
〒 329-4405 栃木県栃木市大平町西山田252 |
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栃木市大平町西山田にある曹洞宗の寺院で山号は太平山。
曹洞宗の寺院開創は1154~1155(久寿年間)年で、はじめは真言宗寺院として創建されたといわれている。荒廃していたところ、1489(延徳元)年に快庵妙慶禅師が曹洞宗の寺として再興した。開基は小山城主小山成長。6世快叟和尚が上杉謙信の叔父にあたり、1561(永禄4)年に焼失していた七堂伽藍を上杉氏が寄進している。
上杉謙信と北条氏康と和を結んだのもこの寺であり、上杉氏との縁も深い。
徳川幕府になってからは、9世柏尚和尚が家康の信任厚く、寺領百石の御朱印を賜ったほか、山林の寄進を受け、曹洞宗関八州僧録(関東の曹洞宗の寺を管理する寺)に任命された。1612(慶長17)年には下総の總寧寺、武蔵野龍穏寺と共に関三刹の1つとなる。11世宗演和尚は、天下曹洞大僧録司職に任ぜられ、「日本曹洞宗大僧録太平山大中禅官寺」と呼ばれた大中寺は江戸末期まで、天下に号令する地位を保った。曹洞宗に改宗したこの寺の縁起は、雨月物語の青頭巾の話として有名であり、その舞台となった。境内には青頭巾の伝説に関わる「根なしの藤」など七不思議の伝説も広く知られていて、拝観者が多い。
現在、境内には、研修施設(青年の家)や大霊園などが開設され、近代的なさまざまな色彩が古い由緒のある寺に多少の色を添えている。また、6月中旬~7月上旬に色とりどりのあじさいがみられることでも有名である。