真岡木綿 (モオカモメン)
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住所 | 栃木県真岡市 |
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青梅縞・結城縞とともに江戸時代の関東木綿を代表する織で,全国に需要をもつ特産物である。木綿生産の中心は下館周辺にあり,真岡近在の製品は下館に比べ3分の1程度の量でしかない。真岡木綿は白木綿を晒加工したものであるが,晒加工が真岡近郷で行われるところからこの名称を得た。この地方の木綿生産は綿作と結合し,綿作・糸とり・綿織の3工程は農家で一貫して営まれ専業化・分業化されていない。織機も江戸時代を通じ生産性の低いいざり機の段階に留まっていた。生産高は文化~天保期(19世紀前半)が最盛期で,以後次第に減退し,明治20年代には完全に消滅している。流通過程は,江戸両組問屋-買継問屋-下買-生産者のルートが幕末まで守まれていたが,産地商人による農家の家内工業の問屋制的な支配段階には立ちいたっていない。