強飯式 (ゴウハンシキ)

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住所 栃木県日光市

日光山に伝承する古儀の一つで「飯を強いる」儀式の意で、江戸時代にはとくに日光責の名をもって知られ、諸大名の心胆を寒からしめたという。
その発祥については諸説あるが、寺伝によれば峰修行の盛んであった平安朝以降、入峰の修験者達が峰々の宿本尊に供えた御供を持帰り、座主を始め在山の大衆に振舞ったことに始まるとされ、後代日光権現の神徳高揚の一手段として、さらに東照宮遷座後においては東照権現の神威発揚の強化策として行われたようである。
信仰的には大黒天・弁財天・毘沙門天の三天垂迹の霊地に鑑み、珍膳所用の物をもって三天の表具を表わし、衆魔降伏の法螺を鳴らしてその化儀をかいつくろい、攘災招福の祝事としたものである。
江戸時代には4月の東照大権現の発典当日の他、正月には輪王寺本坊において、歳末には大楽院において定例に執行されたのを始め、古実の法なるが故に将軍社参、法親王宮初登山の折には必ずこの式に参ぜられたという。
現在では4月2日三仏堂において三天合行の秘法および採燈大護摩供の修法に引続いて、山伏姿の強飯僧によって執行される。
その次第は、強飯頂戴人が所定の座につくと法螺の吹鳴と共に強飯僧が大杯をのせた三方を捧げて入堂。式は先ず御神酒の儀から始まる。次いで強飯僧飯を大高盛りにした大椀を頂戴人の前に置く。大先達は正面に進んで頂戴人の請願成就を祈る祈祷文を奏上する。引続いて強飯僧が大飯椀を頭上に戴かせ平身低頭させて退場。大先達には平伏した頂戴人の前に進み出て強飯の由来を口上する。次いで御馳走として当山の珍物を盛上げた菜膳の授与があり、最後に七難即滅七福即生の毘沙門天の金甲が授けられると、堂内大振動の内に大キセル・ネジリ棒・金剛杖を手にした強飯僧が「めでとう75杯」と大声を発し、手にした品物を頂戴人の前に投出して、式を終わる。

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