初谷長太郎 (ハツガイチョウタロウ)
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住所 | 栃木県足利市下町 |
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1848~1904年(嘉永元~明治38) 織物器械の発明家。足利新田下町(現通1丁目)生まれ。
少年期から西洋への関心が強く1870年(明治3)ころから動力に汽器械(蒸気機関)を利用した器械撚糸業を思い立った。書物や知人から撚糸や蒸気機関に関する情報を収集し、またフランスから機械も取り寄せた。1876年(明治9)にのちの工作局赤羽分局に2千円の金を工面して汽関・撚糸器械の製作を依頼した。
そして1878年(明治11)10月には試運転の運びとなった。これが日本で民間最初の器械撚糸工場であった。しかし技術上の間題が続発し、試運転以来3年を経過しても採算がとれず、負債がかさむ一方であったのでやむなく動力を(蒸気機関から)水力に換え、県から勧業資金千円を借りて新工場を建設した。こうして器械撚糸工場はやっと軌道に乗った。
1881~1896年(明治14~29)にかけて、綾取撚糸器械・かすり糸器・整理用ロール器械・巻取器械・縫取器械などを発明・製造した。
また、栃木県工業学校(現足利工業高等学校)の実習用織物諸器械の大部分を製造した。従来の織物業と密接にかかわり合いながら、下から新技術を開発して織物器械を製造していったことは、日本の近代工業の発展の上からも高い評価が与えられる。
1904年(明治37年)今福村の自宅にて57歳で亡くなる。善徳寺に眠る。