延年の舞 (エンネンノマイ)
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住所 | 栃木県日光市 |
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慈覚大師が唐から招来した秘曲舞で、俱舎の頌を唱えることから俱舎舞・釈起舞とも呼ばれる。
輪王寺に伝わるいい伝えによると、848(嘉祥元)年に慈覚大師が来山の折に大衆に伝えたもので摩多羅神の神事の秘曲として、毎年12月晦日の夜から正月7日の朝まで常行堂において修正会を行う際に、日々この舞を奏して天下泰平を慶祝したという。
その後建長年間(1249~1256)に弁覚座主のときに新宮(二荒山神社)の神事として毎年3月2日にこの舞を奉ることとなり、更に1617(元和3)年東照大権現鎮座以来その祭礼にも行うようになった。
現在では5月17日三仏堂において敷舞台を設けて修している。輪王寺ではこの舞の伝承のために嫡々相伝せしめ、特に新住職必修の法務としている。
この舞は2人の舞衆によって舞われる。その装束は、頭をしろの五条袈裟をもって甲冑形につつみ、緋緞子地に牡丹・唐草模様の直垂に大口袴をつけ、鮫柄の短刀を背に挿み、先ず上座が印を結んで正面に進み舞を献じて復座する。次いで下座も印を結び正面に舞い、中頃からの黒の立烏帽子を冠り、中啓を持って三角形に舞い収めて終わる。
この舞は本尊に供養の舞を奉納することにより、天下泰平・国土安穏を祈念し、併せて延年長寿を祈願する舞である。